研究プロジェクト

【地方議会における女性議員と政策に関する調査プロジェクト】

ジェンダーをめぐる不平等の中でも、とりわけ対処が遅れているのが政治における不平等である。とりわけ、日本においては女性議員の比率が先進国では最低水準であり、ジェンダー・ギャップ指数が低位にある大きな要因の1つとなっている。そのため、学術的にも政策的にも女性議員の増加は焦眉の課題であり、女性議員がなぜ増えないのか、いかにすれば増えるのかについての研究が蓄積されている。しかし、「女性議員が増えたら、何が変わるのか」に取り組んだ研究は管見の限りあまりみられない。そこで本研究では女性議員の比率とジェンダーや保育・介護・生活関連政策(以下、ジェンダー関連政策)との関係を実証的に検討し、「女性議員が増えたら、何が変わるのか」を明らかにすることを目的とする。

現在、「地方自治体の男女共同参画に関する全国調査」を実施中です。各自治体様におかれましては、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

調査票をダウンロードできます。

「地方自治体の男女共同参画に関する全国調査」調査票ダウンロード (271 ダウンロード)

 

研究助成

・2020年度公益財団法人旭硝子財団「サステイナブルな未来への研究助成」プログラム「女性議員が増えると何が変わるのか?-市区町村議会における実証的検討-」

【機会と結果の政治的不平等に関する調査プロジェクト】

近年、経済的・社会的不平等の拡大が問題視され、これらへの政治的対応が求められている。しかし、政治への参加や政策による応答に格差があるとしたら、かえって不平等を助長するおそれがある。そこで本研究では、政治参加と政策応答という点から政治的不平等の実態を捉え、さらに経済的・社会的不平等と関連付けながら政治的不平等の生成メカニズムを解明する。具体的には、下記の課題に取り組む。

1)個人と団体に対する大規模質問紙調査に基づいて、収入、職業、学歴、性別、年齢、エスニシティなどによる政治参加の不平等を把握する。

2)質問紙調査による個人や団体の政策選好と策定された政策との照合によって政策応答における不平等を把握する。

3)具体的な政策過程における争点と各アクター間の相互関係の推移を明示化することで、参加と応答をつなぐプロセスを把握する。これらをもとに、参加と応答の間を媒介するメカニズムを明確化した政治的不平等の生成モデルを構築する。

研究助成

・2020-24年基盤研究(A)「機会と結果の政治的不平等に関する総合的実証研究:政治的不平等生成メカニズムの解明」代表:山本英弘(20H00061)

【政治的エリートの平等観調査プロジェクト】

グローバル化と「格差社会」の進展、統治機構改革は、エリートの「平等観」や政策選好をどのように変化させ、政策決定の影響力構造をどのようなものに変容させたであろうか。本研究は、1980年の「エリートの平等観」調査に倣った調査を実施し、

  1. エリート・対抗エリートの「平等観」や政策選好がどのように変化したか
  2. エリート・対抗エリートが、何を考え、市民から表出される利益をどのぐらい政策に反映させているのか
  3. 現代日本のエリートと対抗エリートがどのようなものであり、政策決定に対する影響力構造や政策ネットワークがどのように変容したのか

を明らかにしようとするものである

研究助成

・2017-21年度科学研究費基盤研究(A)「グローバル時代のエリートと対抗エリートの平等観と政策ネットワークの変容」代表:竹中佳彦(17H00966)

【市民社会とガバナンスに関する国際調査プロジェクト】

筑波大学団体基礎構造研究会によるJIGS(Japan Interest Group Study)プロジェクトとして、世界15ヶ国における市民社会組織や社会団体の調査を行い、各国における政治と社会との関係についての比較分析を行ってきた。とりわけ、利益団体や市民社会組織の政治参加と政治的影響力の実態を捉えることで、利益表出の不平等構造を解明してきた。近年では、ローカル・ガバナンスに焦点を合わせ、アジア諸国の比較を通して、地方政府のガバナンスにおける市民社会や地元コミュニティの果たす役割の解明を目指している。

研究助成

  • 2020-24年度科学研究費基盤研究(A)「日本とアジアの市民社会と都市ガバナンスの比較実証・公共政策研究」代表:辻中豊(20H00064)
  • 2017-19年度科学研究費基盤研究(A)「日本とアジアにおけるローカルガバナンス(国家・市民社会関係)の比較実証研究」代表:辻中豊
  • 2010-14年度科学研究費基盤研究(S)「政治構造変動と圧力団体、政策ネットワーク、市民社会の変容に関する比較実証研究」代表:辻中豊
  • 2005-10年度科学研究費特別推進研究「日韓米独中における3レベルの市民社会構造とガバナンスに関する総合的比較実証研究」代表:辻中豊

【SDGs国際プロジェクトへの参加】

人文社会国際比較研究機構(通称ICR)と連携しつつ、2018年から国際大学協会(IAU)が主宰する国際的なSDGs研究プロジェクトに参画している。SDG10「国内外の不平等の是正」の幹事校として国際ネットワークを構築して研究を進めている。

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